企業の方へ
若年性認知症といっても、人によってその症状、進行はさまざまです。
発症と同時に就労が困難になるわけではないので、支援機関や支援制度を活用したり、症状に応じた職務内容の変更や配置転換を行うなどの取組により、雇用継続の可能性は広がります。
雇用を続けるには、企業や産業医だけではなく、外部の支援機関や支援制度を活用することが求められます。
資料集「若年性認知症の従業員とともに働く」へ
医療機関の受診と産業医
従業員の体調不良に気づいたら、医療機関の受診を勧めてください。産業医(※1)に紹介状を書いてもらい、専門の医療機関受診を勧めることもできます。
「受診のすすめ」ページへ
※1 産業医とは、会社において労働者の健康管理等について、専門的な立場から助言・指導を行う医師です。一定規模の企業には産業医の選任が義務付けられています。産業医に対して、認知症の専門医等の主治医より提供された情報から、就労継続の可否や就労上の措置などの配慮に関する意見を聞くことができます。
厚生労働省では、企業が、がん、脳卒中などの疾病を抱える労働者に対して適切な就業上の措置や治療に対する配慮を行い、治療と仕事が両立できるようするためのガイドラインを作成しています。
「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000115267.html
また、令和3年度には、若年性認知症の人が適切な医療と就労の継続ができるよう若年性認知症の人に特化した手引書が作成されました。
■ 詳細はこちら
(みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社ホームページ)
公的な支援機関
産業保健総合支援センター
各都道府県に1か所設置されています。産業医、産業看護職、衛生管理者等の産業保健関係者を支援するとともに、事業主等に対し職場の健康管理への啓発を行います。仕事と治療の両立を支援する企業からの様々な相談に応じます。
「産業保健総合支援センター」
https://www.johas.go.jp/shisetsu/tabid/578/Default.aspx
(独立行政法人労働者健康安全機構)
地域障害者職業センター
各都道府県に1か所以上設置されています。専門性の高い就労支援として、職業評価、ジョブコーチ支援、職場復帰支援等を行います。長らく健康に働いてきた人が病気や怪我などによって、それまでの働き方が難しくなった場合の相談や職場復帰、就労の継続に関する支援も行っています。障害の種別、障害者手帳の有無は問いません。
「地域障害者職業センター」
https://www.jeed.go.jp/location/chiiki/index.html
(独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構)
ハローワーク
地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センター、医療機関、福祉機関など地域の支援機関が連携し、若年性認知症の人の就職から職場定着までの一貫した支援を行います。各種助成金の相談窓口でもあります。
「ハローワークの所在案内」
https://www.mhlw.go.jp/kyujin/hwmap.html
(厚生労働省)
障害者就業・生活支援センター
各都道府県に複数個所設置されています。職場定着に当たって就業面や生活面の支援を必要とする障害者を対象として、身近な地域で雇用、保健福祉などの関係機関との連携拠点として連絡調整を行いながら、就業やこれに伴う日常生活・社会生活上の相談・支援を一体的に行います。
「障害者就業・生活支援センター一覧」
https://www.mhlw.go.jp/content/11704000/000928244.pdf
(厚生労働省)
公的な支援制度
法定雇用率へのカウント
若年性認知症は、精神障害者保健福祉手帳などの障害者手帳を取得することにより、法定雇用率へのカウントができます。
「障害者雇用のルール」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page10.html
(厚生労働省)
各種助成金
・障害者の雇用安定助成金(職場定着支援)
・特定求職者雇用開発助成金(障害者を雇い入れた場合)
・トライアル雇用助成金(試行雇用を行う場合)
「障害者を雇い入れた場合などの助成」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/shisaku/jigyounushi/intro-joseikin.html
(厚生労働省)
ソフトランディングの視点
認知症は進行することも多いため、在職中に発症した場合、いつかは退職の日を迎えることとなります。働いている時から、認知症の症状の段階に応じた関わりと退職後の生活を見据えた視点や対応が大切です。退職後も再就職を希望される方や居場所を求める方が多いため、在職中から若年性認知症支援コーディネーター(※1)を有効にご活用ください。
資料集「ソフトランディングの視点と若年性認知症支援コーディネーターの役割」へ
※1 若年性認知症支援コーディネーター
若年性認知症の人の支援に特化した「若年性認知症支援コーディネーター」が各都道府県(一部指定都市)に配置されています。本人や家族だけではなく、企業の方も相談できます。利用できる制度・サービスの紹介や手続き支援、就労継続などに関わる関係機関との連携をとったり、若年性認知症の理解を深める研修を行うこともできます。相談は無料です。