ものわすれカフェ(藤本クリニック)

 若年性認知症の方が必要としているものは、デイサービスだ、という声がよくきかれます。今回は滋賀県守山市の藤本クリニック内に設置されています若年性認知症専用デイサービス「ものわすれカフェ」の活動をご紹介いたします。
 藤本クリニックはJR守山駅を降りてすぐの、とても便利な場所にあり、認知症という病気によって車の運転が出来なくなった方にも、たいへん通いやすいところです。
クリニックは、ビルの2・3階にあり、明るく落ち着いた病院スペースと、笑い声いっぱいのデイスペースに分かれています。
 こちらのデイサービスは精神科デイケアから始まったそうですが、介護保険制度が出来てからは介護保険で利用できるようになりました。
デイサービスは3つに分かれており、その中の1つが「ものわすれカフェ」という若年性認知症の方のデイサービスです。若年の方も高齢の方も、その個性を生かし、うまく結びついて活動しています。

 

ものわすれカフェの様子

 もの忘れカフェでは、その日の予定は当日に決めます。またスタッフ側が用意する(決める)のではなく、その日にやりたいことや作業の流れを決めるのは利用者のみなさんです。
 準備されたものでなく、自らが選択すること、「自主制」を大切にしています。職員はあくまでもサポートであることがに徹底されており、利用者さまの笑顔の中に自然に溶け込んでいる先生をはじめ、スタッフのみなさんがとても印象的でした。
 『もの忘れカフェ』のほかには高齢者の利用が多い2つのグループがありますが、あえてこの3つのグループはしっかり分けられていません。隣のグループのやっていることがやりたければそちらのグループの仲間と1日過ごすことも出来るようになっています。

 
クリニックでは、時には認知症の勉強会も行われています。藤本先生の著書にも「認知症になったことはあきらめるが、これからの人生はあきらめない」と言う若年認知症の人本人のことばが書かれていますが、ここでは自分達の病気ともしっかり向き合っているそうです。
また、ご本人を支える御家族の交流の場も設けられています。 

 

相談窓口

 藤本クリニックでは、患者様やご家族の不安や質問に、クリニックでの面接はもちろんですが、電話でも受け付けています。

 必要な時、困っている時、その時に出来るだけ話が聞けるようにという配慮がうれしいですね。またファックスや連絡ノートを使っての相談も受け付けています。

今回紹介させていただいた藤本クリニックについて詳しくは・・・
藤本クリニックのホームページをご覧ください
http://www.fujimoto-clinic.net/

 藤本先生の著書は、当ホームページ「本のご紹介」でもご案内しております。最近「続 認知症の医療とケア 根拠のあるケアを追い求めて」が発刊されました。前著よりもさらにケアについての具体的なエピソードや若年認知症の方たちの言葉や想いがたくさん書かれています。

 また、藤本先生や奥村さん(認知症介護指導者)は講演活動もされておりますので、機会がありましたら、是非、足を運んでみて下さい。

藤本クリニック 藤本直規先生の言葉

 認知症の人に、早期の段階からていねいな治療とケアが切れ目なく提供されるようになると、うまく病気と折り合い、「人」として尊厳を保って生きていただくことができる、そんな社会が近い将来くるであろうことを信じて、これからも日々の小さな積み重ねを大切にしていこうと思います。(続 認知症の医療とケアより)

認知症介護指導者 奥村氏の言葉

 病気の進行や、現実から目をそむけてはいけない。話を聴き、多くの気持ちを託されたという事実が私たちスタッフにはあるのだということをいつも心に持ち続けながら、つながりを実感し続けられるようにいたいと思います。(続 認知症の医療とケアより)

 

あとがき

 現在、若年性認知症コールセンターには10人の相談員がいます。皆それぞれ、病院や施設などで働いてきた看護師や介護福祉士です。

 当コールセンターの開設に伴い専門教育を受け、現在は机上の勉強だけでなく若年性認知症の方に関わっている機関へも研修に出掛け、日々の相談員業務に生かせるよう取り組んでいます。

 このページでは私たちが実際に研修へ行った施設や病院などを紹介していきたいと思います。みなさまの参考にしていただけたら幸いです。